フトアゴヒゲトカゲの熱傷
- ryomavet
- 5 日前
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爬虫類を飼育する際、飼育ゲージの中にバスキングスポットなどを設置します。
紫外線ライトなども設置し、太陽光の代わりとするわけですが、
特に冬季に、飼育ゲージを置いてある部屋自体の温度が低かったり、
バスキングスポットのランプのワット数の不足によって、
バスキングスポット下にいても体温がなかなか上昇しないことがあります。
トカゲのサイズによっては、立ち上がってランプに近づいて体温を上げようとして
ランプに接触してしまったりします。
その際にランプの熱によって火傷を引き起こしていまいます。

このフトアゴヒゲトカゲは頚部の腹側に比較的重度の熱傷を起こしてしまっています。
細菌感染をしないように長期的な傷の管理が必要です。
本例は痛みによって食欲も低下していましたので、そのケアも継続しました。

この写真は、その後別件で亡くなった際の病理解剖時の写真ですが、
火傷はちゃんと治癒しています。
このような事故を防ぐためには適切な飼育環境を設置することが必要です。
バスキングライトをゲージの上に載せる、立ち上がっても届かない高さのゲージにする。
そもそも近づこうとすることも無いように、最低温の管理をしっかりするなどが必要です。
フトアゴヒゲトカゲなどではゲージ内に10~15℃の温度勾配を作り、
バスキングスポット直下に1時間も2時間もいるような場合は、ワット数を上げるか、
最低温部を目安に全体的に温度を上げてみましょう。