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マルメタピオカガエル(バジェットガエル)もツノガエル同様、旺盛な食欲を見せ、

目の前を動くものなら何でも飛びついて口にしてしまう可能性があります。

そのため、飼育環境によっては、底石などを誤食してしまうこともしばしば見受けられます。本例は、フィルターにつけてあったネットを誤食してしまいました。

X線検査でも胃内が充満しているのがわかります。

この子は触診でも明らかに充満が触知できました。

カエルやメキシコサラマンダーなどは、胃内の異物に関しては

その材質や大きさにもよりますが、口から取り出すことが可能です。

この子の場合も全身麻酔下での口からの摘出を試みました。

ネットが比較的硬い材質であり、ネットの細かい網目の中に胃の内壁ががっちり食い込んでしまっていて、摘出には多量の出血も伴い広範囲に内壁に損傷を与えてしまいましたが、

開腹下で行うよりは負担の少ない形での摘出にできました。

写真を見て頂くとわかると思いますが、この体に、このサイズのものを飲み込んでしまっていました。それは食べなくもなります。

こういう事故は、その性質をしっかり認識していれば起きる可能性を減らすことができます。爬虫類・両生類の病気は大部分が飼育環境不備によるものといっても過言ではないでしょう。その動物の生態を正しく理解した上で飼育をしましょう。

カエルの異物誤食でお困りの方はいつでも当院までご相談ください


トカゲ、特に幼体の時期には

床材などの誤食によるトラブルが比較的多く発生します。


この子も全長で20cm弱のフトアゴヒゲトカゲの幼体で、

床材の石を誤食してしまいました。

自ら吐き出せることもありますが、何とか頑張って胃から後ろに押し出されてしまった場合には腸管で閉塞するサイズです。

成体であれば内視鏡などでの摘出が可能な異物ですが、今回は内視鏡が入りません。

全身麻酔下で、異物鉗子による摘出を試みました。

外から胃内の異物を保持しながら、その部分に異物鉗子を挿入していき、

指先の感覚で異物を挟み摘出できました。

幼体のうちは、このような誤食を予防するために、

床材はキッチンペーパーのようなものにするか、

確実にピンセットでの給餌にする必要があります。

床材の誤食は、便などと一緒になって大きな塊となり、腸閉塞を引き起こすこともあります。脱水などの条件が重なるとよりなりやすくなりますので、異物はもとより、脱水をさせない生活環境のチェックも併せて確認してみてください。


異物誤食をしてしまったら、当院までご相談ください。


ハリネズミに血尿などの症状が出た場合、子宮の腫瘍を考慮しなければなりません。

1歳未満でも発生が認められますので、積極的に検査をすることが必要です。

ほとんどの場合検査に麻酔が必要で、麻酔のリスク等を心配される飼い主様も多くいらっしゃいますが、一時的な麻酔のリスクを心配してしっかりとした検査を先延ばしにすることで

病状が進行し、命に関わることにもなりかねません。

病気は何事も早期発見・早期治療が一番です。

家族を守れるのは飼い主さんだけなのです。

当院では吸入麻酔による負担の少ない短時間麻酔によって検査を行っています。


外からわかるほど大きくなってしまった腫瘍
外からわかるほど大きくなってしまった腫瘍

    別の症例の摘出した拡大した子宮。このくらいではまだたまに出血する程度の症状

       別の症例の子宮体部が重度に拡大した子宮

       ここまで来ると、出血がなかなか止まらない状態になります

       周囲の臓器とも癒着を引き起こし摘出が困難になります。

       出血によって貧血にもなりリスクの高い手術となります。


ハリネズミの陰部から出血を認めた場合には当院までご相談ください。

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