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  • ryomavet
  • 5月14日

病院に来るカメの症状で多いものの一つは「食欲不振」です。

原因は様々ですが、中には長期間強制給餌を行わなければならない場合もあります。

そのような場合に、たびたび強制給餌をするストレスを減らしたり、

強制給餌が様々な理由で難しい場合などには、麻酔をかけて食道に給餌用のチューブを設置します。

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これを設置することで、飼い主さんが自宅で給餌を行うこともできるようになりますし、

なにより、給餌自体が、お互いにとって楽です。

しかし、体調の落ちている時の麻酔をかけての処置になりますので、

メリット・デメリットをよく獣医師とご相談下さい。

カメが食欲がない時にはあまり様子を見ずに(せいぜい2~3日ぐらいで)それ以上続く場合には病院にご相談ください。

  • ryomavet
  • 5月13日

カメのお尻から何か出ているという主訴は比較的遭遇します。

総排泄腔脱、直腸脱、卵管脱、ペニス脱などがよく認められます。

本例は、X線検査・超音波検査にてお腹に卵・卵胞がたくさんあるのがわかりました。

状況から考えて卵管脱である可能性が高そうです。

残念ながらかなり脱出していて、卵管自体にもかなり傷と出血が認められ、

また、おなかの中にもまだまだ卵があることから開腹手術が必要となります。

飼い主様に了解を得、手術に踏み切りました。

腹甲を切って開けていきます。


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腹膜をあけると、腹腔内に卵が脱出し、腹膜炎の一歩手前でした。

どうやら、卵管に卵が癒着してしまいその卵管が脱出した際に卵管が破れ、

腹腔内に内容物が漏れてしまったようです。

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レントゲン検査で確認できた卵は一部で、その他にもたくさんありました。

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全てを摘出し、腹腔内を洗浄し閉腹です。

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摘出した内容物です。

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術後はしばらく水には入れませんが、うまく器から水を飲んだりしだして経過良好。

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1週間後には水中での生活が出来るようになり、元気にご飯を食べだしました。

甲羅は2~3カ月で治って行くと思います。


カメのお尻から何か脱出しているのを見つけた時は、

脱出しているものや脱出した状況によっては様子を見ると命に係わることもありますので、

お早めに当院までご相談ください。


腫瘍というのはどんな動物にもできるものですが、

今回はモルモットの下腹部にできた腫瘤です。

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直径4cm程の腫瘤でした。

モルモットなどのエキゾチックアニマルは麻酔の危険性が、

犬や猫よりもどうしても高くなります。

しかし、このまま大きくなれば、床に腫瘤を擦ったりして、

傷が付き、そこから感染・化膿などを起こすと、

この子のQOL(命・生活の質)が下がってしまいます。

犬や猫でもそうですが、手術をすることのメリット・デメリットを天秤にかけて、

手術をするか決めていきます。

この子の飼い主さんは手術を選択されました。


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摘出した腫瘤と、術後の傷です。

かなり大きくとったので、傷を寄せるのにぎりぎりになりました。

摘出した腫瘤は検査の結果、「線維肉腫」とわかりました。

局所再発を起こしやすい腫瘍です。

引き続きの経過観察が必要となります。


当院では麻酔に不安をお持ちの飼い主様に対して、

局所麻酔や、麻酔はかけるけれども手術時よりも短時間の麻酔で処置を終えられる

半導体レーザーを使用した腫瘍治療をご提示しています。

色々な方法がありますので、ご興味がおありの方は是非一度ご相談ください。




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