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以前記事にしたヒョウモントカゲモドキと同様に、

フトアゴヒゲトカゲも卵胞鬱滞を起こします。

特徴的な症状はなく、大きくなった卵胞の状態によって、

食欲不振や元気消失など様々な症状を引き起こします。

治療としては、手術によって卵胞を摘出する対応が第一となります。

上からだとわかりにくいですが、お腹が張っています。

手術を行い、鬱滞した卵胞と卵もあったので同時に摘出しました。

卵胞がこのような状態になると、状態回復には手術での摘出しか方法はありませんので、

出来るだけ早めに発見して、なるべく体力の残っているうちに手術を行いたいところです。

あまり様子を見ていると状態が悪化し、手術に耐える体力がなくなってしまいます。

雌のフトアゴヒゲトカゲの、お腹の張りや食欲不振に気付いたらなるべく早めに病院までご相談ください。

雌のヒョウモントカゲモドキは、条件が整えば、単独飼育でも卵を持つことがあります。

卵が出来るとお腹が大きくなり、その影響で食欲が落ちます。

通常約2~3週間程で問題なく産卵できれば、食欲も戻ります。

しかし、卵が大きすぎたり、変形卵だったり、卵管がうまく収縮できなかったりするとうまく産卵できずに卵塞(卵詰まり)となってしまいます。


今回の例は3週間ほど食欲がなく、お腹が張っているとのことで来院されました。

3週間というのは、期間だけを考えればまだ生理的に抱卵期間としてあり得る期間です。

手術が必要かどうかを考慮する目安としては4週間の食欲不振があります。

しかし、そこまで待つことを選択肢として提示できるのは、

症状が食欲不振のみで、元気がない・痩せてきているなどの症状がない場合です。

よく目を閉じて寝ている・痩せてきている等の症状がある場合は、

そこまで待ってしまうと手遅れになることも多いです。


本例も3週間でしたが、明らかに痩せて元気がない状態でしたので、

手術の必要性をご説明して承諾していただけました。

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通常2つの卵が3つあり、変形卵も認めました。

内科的な治療として、カルシウム剤の投与や卵管収縮剤の投与などもありますが、

本例では反応する望みは薄かったでしょう。

確かに手術にはリスクがありますが、いたずらに内科的な治療を施しても、

治療に反応せず状態が悪化するばかりで、手術で救える時期を逃してしまうこともあるので、注意が必要です。

ヒョウモントカゲモドキのお腹が腫れてきた場合には、あまり様子を見ずに一度当院までご相談ください。

更新日:9月9日

ハリネズミの健康管理


ハリネズミにも様々な腫瘍が発生します。これらの腫瘍は、時に見えない場所にできることがあります。特にお腹の中にできる腫瘍は、外からはわかりにくいことが多いです。定期的な健康診断が重要です。


今回の子はお腹が膨らんでいることを主訴に来院されました。診察の結果、腫瘍が確認されました。サイズも5㎝以上ありそうです。この大きな腫瘍があるせいでお腹が苦しくて食欲がなくなっていました。


手術の必要性


腫瘍が大きくなると、ハリネズミの健康に深刻な影響を及ぼします。食欲がなくなることは、体力を奪う原因となります。そのため、手術での摘出が必要です。飼い主様と相談の上、腫瘍を取り除くための手術を行いました。


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とても大きな腫瘍で摘出に少し時間がかかりましたが、何とか頑張ってくれました。


定期的な健康診断の重要性


このようなお腹の中にできる腫瘍は、外からわかるようになるまで気づくのが遅れることが多いです。しかし、定期的に超音波検査を行うことで早期に発見できるかもしれません。健康診断として検査をすることも有用です。


超音波検査の利点


超音波検査は、非侵襲的で安全な方法です。この検査を通じて、腫瘍の有無を確認できます。特に、ハリネズミのように小さな動物の場合、早期発見が治療の成功率を高めます。


食事と生活環境の見直し


腫瘍の予防には、食事や生活環境の見直しも重要です。栄養バランスの取れた食事を提供し、ストレスの少ない環境を整えることが大切です。


まとめ


ハリネズミの腫瘍は、早期発見が鍵です。定期的な健康診断や超音波検査を行い、異常がないか確認しましょう。腫瘍が見つかった場合は、迅速に手術を行うことが重要です。健康なハリネズミを育てるために、日々のケアを怠らないようにしましょう。


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