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ヒョウモントカゲモドキの卵塞(卵詰まり)

  • ryomavet
  • 8月27日
  • 読了時間: 2分

更新日:9月9日

雌のヒョウモントカゲモドキは、条件が整えば、単独飼育でも卵を持つことがあります。

卵が出来るとお腹が大きくなり、その影響で食欲が落ちます。

通常約2~3週間程で問題なく産卵できれば、食欲も戻ります。

しかし、卵が大きすぎたり、変形卵だったり、卵管がうまく収縮できなかったりするとうまく産卵できずに卵塞(卵詰まり)となってしまいます。


今回の例は3週間ほど食欲がなく、お腹が張っているとのことで来院されました。

3週間というのは、期間だけを考えればまだ生理的に抱卵期間としてあり得る期間です。

手術が必要かどうかを考慮する目安としては4週間の食欲不振があります。

しかし、そこまで待つことを選択肢として提示できるのは、

症状が食欲不振のみで、元気がない・痩せてきているなどの症状がない場合です。

よく目を閉じて寝ている・痩せてきている等の症状がある場合は、

そこまで待ってしまうと手遅れになることも多いです。


本例も3週間でしたが、明らかに痩せて元気がない状態でしたので、

手術の必要性をご説明して承諾していただけました。

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通常2つの卵が3つあり、変形卵も認めました。

内科的な治療として、カルシウム剤の投与や卵管収縮剤の投与などもありますが、

本例では反応する望みは薄かったでしょう。

確かに手術にはリスクがありますが、いたずらに内科的な治療を施しても、

治療に反応せず状態が悪化するばかりで、手術で救える時期を逃してしまうこともあるので、注意が必要です。

ヒョウモントカゲモドキのお腹が腫れてきた場合には、あまり様子を見ずに一度当院までご相談ください。

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