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更新日:10月25日

ヘビの食事と誤食のリスク


ヘビにはマウスなどを食事として与えることが多いです。床はペットシーツで管理します。置き餌でマウスを与えた際、ペットシーツにマウスのにおいが付着することがあります。また、マウスの捕食の際に様々な状況が発生します。これらの状況が原因で、ヘビがペットシーツを誤食してしまうことがあります。


ヘビの歯の形状やペットシーツの表面の細かい繊維を考えると、一度咥えてしまうと手の無いヘビには外すことが困難です。誤食が発生すると、体の中ほどが膨らむことがあります。手術で胃を切開して、ペットシーツを摘出する必要があります。



誤食を防ぐための対策


誤食を防止するためには、いくつかの対策があります。以下にいくつかの方法を紹介します。


ピンセットでの給餌


ピンセットを使用して、ヘビにマウスを与えることが効果的です。この方法により、ヘビがペットシーツを誤って咥えるリスクを減らすことができます。


別のゲージでの食事


食事を別のゲージで行うことも有効です。これにより、ヘビがペットシーツに触れる機会を減らすことができます。


定期的なチェック


ヘビの飼育環境を定期的にチェックすることも重要です。ペットシーツが破れている場合や、異物が混入している場合は、すぐに交換しましょう。



誤食の影響と注意点


ペットシーツの誤食は、ほとんどの場合手術による摘出しか対応方法はありません。手術はヘビにとって大きな負担です。したがって、誤食を防ぐために注意が必要です。


健康への影響


誤食が発生すると、ヘビの健康に深刻な影響を与える可能性があります。消化不良や内臓の損傷など、さまざまな問題が発生することがあります。これを避けるためにも、飼い主は細心の注意を払う必要があります。


ストレスの軽減


ヘビに余計な負担をかけないためにも、ストレスを軽減する環境を整えることが重要です。静かな場所で飼育し、過度な刺激を避けるようにしましょう。



まとめ


ヘビの誤食は、飼い主にとって大きな悩みの種です。適切な対策を講じることで、誤食のリスクを大幅に減らすことができます。ピンセットでの給餌や別のゲージでの食事は、特に効果的です。ヘビの健康を守るために、日々の管理を怠らないようにしましょう。


誤食を防ぐための対策をしっかりと行い、ヘビが健康で快適に過ごせる環境を提供しましょう。

以前記事にしたヒョウモントカゲモドキと同様に、

フトアゴヒゲトカゲも卵胞鬱滞を起こします。

特徴的な症状はなく、大きくなった卵胞の状態によって、

食欲不振や元気消失など様々な症状を引き起こします。

治療としては、手術によって卵胞を摘出する対応が第一となります。

上からだとわかりにくいですが、お腹が張っています。

手術を行い、鬱滞した卵胞と卵もあったので同時に摘出しました。

卵胞がこのような状態になると、状態回復には手術での摘出しか方法はありませんので、

出来るだけ早めに発見して、なるべく体力の残っているうちに手術を行いたいところです。

あまり様子を見ていると状態が悪化し、手術に耐える体力がなくなってしまいます。

雌のフトアゴヒゲトカゲの、お腹の張りや食欲不振に気付いたらなるべく早めに病院までご相談ください。

雌のヒョウモントカゲモドキは、条件が整えば、単独飼育でも卵を持つことがあります。

卵が出来るとお腹が大きくなり、その影響で食欲が落ちます。

通常約2~3週間程で問題なく産卵できれば、食欲も戻ります。

しかし、卵が大きすぎたり、変形卵だったり、卵管がうまく収縮できなかったりするとうまく産卵できずに卵塞(卵詰まり)となってしまいます。


今回の例は3週間ほど食欲がなく、お腹が張っているとのことで来院されました。

3週間というのは、期間だけを考えればまだ生理的に抱卵期間としてあり得る期間です。

手術が必要かどうかを考慮する目安としては4週間の食欲不振があります。

しかし、そこまで待つことを選択肢として提示できるのは、

症状が食欲不振のみで、元気がない・痩せてきているなどの症状がない場合です。

よく目を閉じて寝ている・痩せてきている等の症状がある場合は、

そこまで待ってしまうと手遅れになることも多いです。


本例も3週間でしたが、明らかに痩せて元気がない状態でしたので、

手術の必要性をご説明して承諾していただけました。

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通常2つの卵が3つあり、変形卵も認めました。

内科的な治療として、カルシウム剤の投与や卵管収縮剤の投与などもありますが、

本例では反応する望みは薄かったでしょう。

確かに手術にはリスクがありますが、いたずらに内科的な治療を施しても、

治療に反応せず状態が悪化するばかりで、手術で救える時期を逃してしまうこともあるので、注意が必要です。

ヒョウモントカゲモドキのお腹が腫れてきた場合には、あまり様子を見ずに一度当院までご相談ください。

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